LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
 暗くした部屋

 汗ばむほど火照る身体

 入り混じる、喘ぐ声…

 深空にはもう歯止めをかけることなどできなかった。

 後で虚しくなることも解っているのに、走り出した感情を、もう止めることはできなかったのだ。例え、それが今だけであっても、雄二の温もりを自分のものにできればいい…

 今だけでもいいから、自分を彼でいっぱいにしてほしい……

 夢と現実の狭間で、深空は夢中で彼を愛していた。

 しかし愛されているのかは、正直なところ自信がなかった。それでも、今、この瞬間のことが、彼の記憶に残ってくれたら…。少しでも"深空"という人間が、離れていても同じ空の下にいるということを覚えてくれたら…

(他に何もいらないから……)

 野性的な、沸き上がる快楽。

 それに悶え、息が絶え絶えになるふたつのシルエット

 それでもまだ求め合い、受け入れ合い、受け止め合う……

 何のしがらみもない深空には、もうこれ以上失うものなどなかった。

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