LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
「…そうなの」

 逸子は、目を伏せてそうひとこと言っただけだった。

 深空は家に帰っていた。雄二の部屋で家事をしようにもまったく手につかず、落ち着かなかったからだ。

 リビングには、たまの休みをゆっくりと過ごしていた逸子がパジャマ姿でテレビを見ていた。深空は、そんな彼女に、昨日の夜に受けた事情を話していた。

「…ここに来たからといって、どうなるわけじゃないけど、一人でいるのがちょっと…」

 深空は俯き、小さな声でそう言った。

「…好きにしなさい」

 逸子は、優しく彼女にそう言った。

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