LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
 ハンバーガーにかぶりつきながらふたり、向かい合わせに座る。

 揚げたてのポテトからは湯気があがり、辺りにはコーヒーの香りが漂っていた。

 昼時であるため、店にいる客の数もかなり多かったが、何とかふたり座れる席を確保できたため、持ち帰りにせず食べて行くことにしたのだ。しかし、向かい合わせに座り深空が雄二の顔を覗き込むと、彼は浮かない顔をしているのだ。

「…先生?」

 そんな彼に、彼女はつい不安そうな顔で声をかける。

「ん?」

「口の端にケチャップが付いてる」

 深空はそう言って、彼の口元についてるケチャップを指で拭った。

「悪ぃ」

 彼はごまかすように笑いながら謝り、深空がなぞった口元を指で押さえた。

(なんか… いつもと違う…)

 そんな彼の作り笑顔を見て深空は眉をひそめていた。

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