LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
(あたしの知らない、先生の顔だったな…)

 彼女は、ロフトのはしごを出した。そして、それをロフトの入口に架けるとゆっくりと上がった。

 そこは、今まであまり入ったことのない空間だった。小窓が一つあるだけで薄暗く、埃っぽい。

 深空は電気のスイッチを探しあて、明かりを付けた。小さい蛍光灯がチカチカと燈り、段々と辺りが明るくなっていくが、それでもまだ薄暗かった。

 深空はさほど広くはないこの薄暗い空間を見渡していた。目を凝らしてよく見ると、たくさんの段ボール箱が所狭しと置かれている。

『夏物』、『春、秋物』、『くつ』、『テキスト』……

 あとは、飾り棚に飾りきれなかった車の模型の箱、漫画本など、今必要ないもの達が眠っていた。

 それらの荷物を手に取り、蓋を開ける。すると、もわっと埃が立ち、深空はむせた。それでも簡単に中身を見てみるが、特に気になるものはない。

 一通り中身を見た深空は、それらを元に戻し、他にはないかとキョロキョロする。

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