LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
「ただいま」

 夜の11時過ぎ、雄二が帰宅する。しかし、深空の返事がない。

 明かりは付いているのにおかしい、と思いながら、雄二は部屋に入った。

「…!」

 ガラスのテーブルに置いてある箱を見て、彼は激しく驚愕していた。

「…おかえり」

 床に座り、下を向いてそうつぶやいた深空の目は、真っ赤だった。

「深空、なんで…」

 彼は深空の前にしゃがみ、魂が抜けたように腑抜けた彼女の顔に触れた。それでも、深空は彼と目を合わせようとしなかった。

 いや、できなかったのだ。

「…見なければ良かった。だって信じてたら、こんなことしないよね…」

「ごめん、違うんだ」

 雄二が、消えてしまいそうな深空を必死に救おうとしている。しかし、一度生まれてしまったこのジェラシーをどうやって殺せばいいのか、深空には解らなかった。

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