LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜

　式が終わり、また隣のレセプション会場に移動する。そして、予定の時間から、披露宴は始まった。堅苦しさも余計な余興などは無く、ホームパーティのようなレセプションに、深雪は楽しんでいる様子だった。

　最後のデザートは、ビュッフェスタイルになっており、中庭に移動する。

　空はすでに暗くなっていた。

　照明に照らされた中庭で、甘くてとろけそうなスイーツを楽しんでいると、さっきの式の神父がカウボーイのような衣装を身につけ、ギター片手にノリノリに歌い出したのだ。その歌声に皆が驚き、どよめきと歓声が興る。そして、その歌に合わせ、ここにいる誰もが笑顔で楽しんでいた。

　春風が頬を掠めると、緩い風の渦が、桜の花びらを連れて流れていく。暖かい春の風が皆を包み、新郎と新婦を祝福しているようだった。