LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
 翌日、のんびりと朝寝坊をするふたり。

 キラキラした朝日がカーテンの隙間から差し込み、その眩しさで深空は目を覚ましたのだ。日曜の朝は、たいていこんな感じで起き、一日をスタートさせていた。時計を見ると、8時半を少し過ぎていた。深空はすぐに深雪の肩を揺らし、彼女を起こす。

「深雪、起きて! テレビ、始まってるよ!」

 眠い目を擦り、寝ぼけ眼で深空を見る深雪は、ゆっくりと立ち上がり、トイレに向かう。その間に深空はテレビをつけて、深雪の好きなアニメにチャンネルを合わせた。

 遠くから水の流れる音が聞こえると、深空もトイレに行く。そして深雪と交替すると、目が覚めた深雪はテレビの前に座った。

 彼女は、そのまま食いつくようにテレビを見ている。いつも少しだけ遅れちゃうけど、毎週欠かさずに見ている、ちまたのこどもに人気のアニメ番組だ。

 トイレから出た深空は、深雪の様子をうかがいながら朝ごはんの支度を始めていた。

 こんなゆっくりな朝は、トーストとスクランブルエッグで簡単に済ませよう

 深空はそんなふうに思いながら、フライパンを温めはじめた。

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