LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
 自分の膝に乗せて、大人しいうさぎを優しく撫でながら見つめる、深雪…

 嬉しそうにしながらうさぎを可愛がっているのを見て、深空も自然と笑顔になっていく。

 まだ三年しか生きていないこの小さな女の子が、これからまた"新しいもの""新しいこと"に遭遇していくのだ。当たり前のことなのに、遠い昔過ぎてそんな感覚などとっくに忘れている。小さなこどもとの時間は、こうした"初めて"を改めて体験できる。とてもワクワクできるのだ。

 子育ては、時には道程が平坦であるばかりではない。しかし、そんな苦労をして育てたこどもの成長とともに、自分もひと回りもふた回りも大きくなれるのだ。

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