LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
時間は巻き戻せるわけが無い。今まさに、ふたりは同じことを考えていた。ふたりを包んでいた懐かしさなどはとっくに消え、お互いの現実に、隠せない戸惑いをどう処理したらいいのかを考えている。
どうして今更また出会ってしまったのだろうと、運命のいたずらさえも恨んでしまいそうになるのだ。
「あ…、別に認知してくれなんて言わないから、大丈夫。会うのは、これっきりにしよう」
沈黙を破るように、小さく笑いながら深空は言った。すると、雄二の顔が曇っていった。
「だって、奥さんいるんでしょ?」
深空は立ち上がり、戸棚からガラスのコップを取り出してちゃぶ台に置いた。そしてそのまま今度は冷蔵庫を開け、作り置きしていた麦茶のボトルを取り出し、出したコップに注いだ。
麦茶の入ったコップに口を付け、深空は一息ついた。その向かい側で彼は黙々と夕飯を食べていた。
「お母さんの病状は、その後どうなの?」
深空が尋ねると、雄二の手は止まった。
「…あぁ、去年の暮れに亡くなったよ。余命宣告を受けてからだいぶ長く生きたけどね」
「…そう」
「会いたがってたよ、お前に。口には出さないけど、お前とのメールのやり取りを思い出して、よく携帯のメールボックスを見てたしな」
雄二がそう言うと、深空は節子の顔が頭の中によぎっていた。あんなに元気そうだったのに、もうこの世にいないとは、深空にはにわかに信じられなかった。
どうして今更また出会ってしまったのだろうと、運命のいたずらさえも恨んでしまいそうになるのだ。
「あ…、別に認知してくれなんて言わないから、大丈夫。会うのは、これっきりにしよう」
沈黙を破るように、小さく笑いながら深空は言った。すると、雄二の顔が曇っていった。
「だって、奥さんいるんでしょ?」
深空は立ち上がり、戸棚からガラスのコップを取り出してちゃぶ台に置いた。そしてそのまま今度は冷蔵庫を開け、作り置きしていた麦茶のボトルを取り出し、出したコップに注いだ。
麦茶の入ったコップに口を付け、深空は一息ついた。その向かい側で彼は黙々と夕飯を食べていた。
「お母さんの病状は、その後どうなの?」
深空が尋ねると、雄二の手は止まった。
「…あぁ、去年の暮れに亡くなったよ。余命宣告を受けてからだいぶ長く生きたけどね」
「…そう」
「会いたがってたよ、お前に。口には出さないけど、お前とのメールのやり取りを思い出して、よく携帯のメールボックスを見てたしな」
雄二がそう言うと、深空は節子の顔が頭の中によぎっていた。あんなに元気そうだったのに、もうこの世にいないとは、深空にはにわかに信じられなかった。