LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜

　深空と夏美は、その電車に乗り込んだ。そして待ってましたと言わんばかりに、夏美は深空を質問攻めにする。しかし夏美は隣の駅で降りるため、彼女はすぐに解放された。悔しそうな顔を浮かべた夏美は、動き出す電車の窓ガラス越しに手を振り、深空は勝ち誇ったような笑顔を浮かべてそれに応えていた。

　そこから、数駅、深空も目的の駅に到着した。

　今夜はホテルではなく、彼の部屋に行く予定だ。

　また一歩前進。

　深空の中で流れる血が、まだまだかと騒ぐ。これからまた彼の自分を映すあの"目"を見られのかと思うと、興奮が収まらない。それはまるで麻薬のよう―

　彼女を"女"として見ている雄二の目は、深空の感情を高ぶらせる、一種の麻薬のようなものであった。