LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
 それでも、彼女は孤独にはなりたくなかった。だから、信じられない分、その隙間を埋めるように彼女は友達を求めた。

 寂しい分、彼女の先生であった"大人"の雄二に、自分の理想を見ていたのかもしれない。

 友達は、彼女を暖めてくれた。

 そして、彼は届かないほのかな光だった。

 しかし、他人は他人。その日が終われば、残るのは自分だけ。どうしようもない虚しさは、消えることなど無かった。そして彼女には、その虚しさを消す手段もわからなかった。

 高校受験に合格し、塾を去った後でも、彼女はその光を求めに、雄二に会いに行った。しかし、"現実"によって、その光は簡単に消えてしまった。彼女の友達の雄二への告白によって…

「彼女が地元で待ってるから…」

 雄二のその言葉に、深空は自分のことのように傷付いたのを覚えている。

 それからというもの、深空は雄二に希望の光を見るのを辞めた。

 信じてた光が消えた。

 彼女の心には小さな穴が開いた。

 その穴が徐々に大きくなるにつれて、彼女の中の漠然としたものが、消えていく。どんな感情なのかは、彼女自身すらも解らない。

 もう、麻痺していたのかもしれない。

 それでも、誰かに告白されれば付き合うことはあった。求められば、セックスをすることもあった。しかし、時間が経つと相手と温度差を感じてしまい、うまくいくはずがなかった。

 性的な欲求を満たせても、心の欲求は満たされることはなかった。

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