LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
 恋って何だろう?
 愛って何だろう?
 …もう、面倒臭い、どうでもいい。
 男なんて… 弄ぶくらいがちょうどいい。退屈な日々が紛れれば…

 虚しさを消す手段。自分が傷付くことのない、"ゲーム"……
 それが今の彼女を作っていた。



 深空が電車を降りたったその駅のホームには、ほとんど人影はなく、少し古い駅舎が余計に古く寂れて映る。そのホームから出口に続く階段を下りていると、また深空の携帯が鳴った。しかし、今度の着信音は、さっきと違う。

「もしもし? 今、着いたところだよ… うん… うん…」

 足取りが断然軽くなる。

「わかった。改札口で待ってるから…」

 通話を切る間際、微かに深空の口元が緩む。今宵は、彼女にとって楽しいパ
ーティの始まりでもあった。

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