LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
「…あたしが死ねば、あなたは幸せになれるの?」

 深空の声は、闇の中で凜と響いていた。

「ここからあたしと深雪が飛び降りれば、あなたの中にあたし達は永遠に残るわ。綺麗に無くなるなんてことは有り得ない」

「黙って…!」

 翠はナイフの刃を深空の顎に掠めた。

 深空の白い肌に横長の一筋の傷が付き、うっすらと血が滲む。それでも表情を変えない深空は、続けた。

「…生きている間は、罪の意識は決して消えたりはしない。一生付き纏うの」

「黙りなさいっ…!」

 翠は柵に深空の体を力いっぱい押し付けた。深空の体重が目一杯かかり、木製の柵は、ギシギシと軋み、たわんでいた。
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