LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
 そばにいれるだけて、私は幸せだった。でも、それは最初だけだった。人という生き物は、貪欲な生き物なのだ。彼の心が欲しかった。その思いは次第に強くなっていった。

 そばにいるのに、触れてもくれない。彼のその大きな手で、身体中をまさぐって欲しいのに……

 彼はいつもすごく優しくしてくれた。でも見ているのは、私の目ではなかった。気付いていたけど、わざと気付かないフリをしていた。
 でもついに彼は、私からすり抜けていった…

 私は…

 一体なんだったの…

 泣いた。とても大きな声で…

 そして思い切り泣いた後、私は思い付いた。

 壊せばいい

 その日から、私は鬼になった―

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