LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
「…ダメっ…!」

 深空は強く首を振る。しかし、雄二の表情は変わらない。

 “責任を取る"

 彼の顔に書いてあるようだった。

 一度決めたら、彼はそれを押し通す。深空には、充分過ぎるほど解っていた。

「お前が深空を殺そうとした。そこまでお前を走らせたのは、俺が中途半端だったからさ」

 雄二は笑ってそう口にした。その笑顔が鋭いナイフとなり、深空の胸に突き刺さる…

 本気である彼を前にして、深空は言葉を探すが見つからない。金縛りにでもかかったように、微動だにできなかった。

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