LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜

　暗闇の中に甘い吐息が溶け込んだ部屋…

　そこにあるのは、二人だけの時間…。この時だけ、彼等は恋人同士になれる。

　彼が表現した"時限恋人"。あながち間違えではない。

（でもいつか…）

　深空は、隣で疲れて眠る雄二の横顔をじっと眺めながら、そんなことを考えていた。

　彼は、深空の方に寝返りを打つと、腕を彼女の細い身体に絡ませた。深空は
彼の胸にそっと耳を添える。

　彼の胸の鼓動は、規則正しく打ち付けていた。そのリズムが心地よく身体に響き、抱きしめられる温度が、深空の身体を溶かしてしまいそうなほどに熱かった。

　その彼の生きている鼓動を聞いていると、自分の胸の鼓動がさっきよりも激しく動いているような気がしてならなかった。思わず、彼女は自分の胸を押さえていた。

　一瞬、さっき見た写真が頭をよぎった。

（今は、あたしだけのモノ…？）

　彼の大きな胸を指先でなぞる。その滑らかな動きに少しだけ反応を見せた雄二に、深空は彼の唇にキスをした。まるでそれは犬がマーキングするかのような、野性的なキスだった。

　何度も何度も、ためらうことなく彼女は激しく唇を重ねていく。雄二は薄目を開けて、それに応えていた。

　夜は、すべてを闇に包み込んでいく。さっきまで、この部屋は静寂に支配されていたというに、火が点いたようにまた熱くなる。