LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
 その時だった。

 伸夫はためらうこともなく、服を着ている深空を後ろから抱き上げ、ベッドに押し倒した。そして、深空の頬をためらいもなく平手で殴りつけたのだ。

 びっくりした深空は目を見開き、伸夫を見る。彼は興奮して、肩で息をするほどの荒い呼吸をしていた。

「ふざけんなよ…」

 伸夫の低い声が、緊張した部屋の中に響いていた。深空は、そんな彼を黙って睨みつける。殴られた拍子に彼女の唇は切れて、血がじんわりとにじんでいた。

 伸夫は深空の下着をはぎ取ると、局部を乱暴にした。あまりの気持ち悪さで、鳥肌が立つほどだった。

「何度やっても同じよ…!」

 深空が顔を歪めながら抵抗しても、伸夫のその行為はやめなかった。それどころか、抵抗する彼女の顔を殴り、否応なしに赤くする。その度に皮膚は傷つき、鮮血が流れ出した。

 彼女は泣き叫びながら、無理矢理犯そうとする伸夫を何度も拳で叩く。しかし、男の力には全く及ばず、ビクともしない。

 深空の中に伸夫が入ってくる。

 伸夫の動きは激しく、段々と昂揚していくのが解る。

「…うっ……」

 伸夫の口から漏れる声と、激しい腰の動きで揺れるベッド…

 深空は吐き気を覚えていた。

「お願いだから、抜いて…」

 顔を歪めながら、深空は彼の腕を両手で掴みながら哀願する。しかし、彼は聞こえないフリをして、続ける…

 そして彼がやがて昇り詰めた時――

「やめてーっ!」

 悲鳴に近い叫び声が部屋中に響き渡ったが、その時にはすでにもうなにもかもが終わっていた。

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