LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
「深空。来月のシフトの希望、出てないよ」

 深空に構わず大きなハンバーグを食べている夏美と一緒に休憩していると、来月のシフト表を手に持った社員の吉井は深空の隣に座った。

「あれ? まだ出してなかったっけ…? えっと来月はゼミのレポートの提出しなきゃいけないから、また結構休まなきゃ… えっと…」

 ポケットから携帯を取り出し、カレンダーを表示させると、彼女は予定を確認しはじめた。今日の日付を目にした時、一瞬、雄二とのことが頭に過ぎる。

"会わない"
"連絡しない"…

 映画を見に行った夜に、おかしくなった彼女が出した結論だった。少しは学業に専念して、せめてその期間は雄二から離れてみようと彼女は考えていたのだ。

 実際、彼女は雄二が週末に帰省すると聞いたときから、なんとなく気が引けて連絡していなかった。だから、日曜日のいつ頃にこっちに戻るとか、全く把握していないのだ。

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