LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜

　翌日も同じシフトでバイトを入れていた深空は、昨日と同じように仕事をしていた。昨夜は、気を遣ったつもりもなかったが、帰省中の雄二には連絡することも、誰かと夜遊ぶこともせずに、彼女は大人しく過ごしていた。そして、夏美に返すものをさっさと返し、またいつもの調子で、営業スマイルを振り撒いていた。



（あ、メール…）

　ディナータイムの客を捌き切り、ヘトヘトになりながら、深空が更衣室のドアを開けた時であった。ポケットに入れていた携帯のバイブが震え出したことに気づいたのだ。何気なく取り出し確認すると、それは雄二からのメールだった。

　黙って目を通すが、すぐに返信をしなかった。携帯を閉じ、自分のかばんに突っ込む。

（今夜の最終の新幹線で戻って来るんだ…）
　制服のワンピースの背中のファスナーを下げながら、彼女は小さなため息を漏らしていた。



　会おうと思えば、会える…
　でも…



　そう考えていると、またメールが着信する。バッグにバイブが伝い、大きな音をさせていた。メールを開くと、『迎えに来て』とあった。