LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
(…なんで?)

 深空は、それだけ打って返信する。するとすぐにまたその返信が届いた。

『会いたいから』

 内容は、その一言だけだった。

(!!)

 胸をドキっとさせた深空の中で疑問が浮かぶ。

(何しに家に帰ったの…?)

 返信に躊躇いながら携帯のメール画面を見つめていると、携帯の画面が急に切り替わったのだ。電話が着信していることを知らせていた。

(あ…)

 深空は迷ったが、その電話に出ることにした。

「もしもし…?」

『なんだよ、返信遅いな。いつもはチャッチャと来るのに』

 いつもの彼の調子に、深空のテンションは下がる一方だった。

「…行かない」

『え?』

 雄二は深空のその冷たい口調に、にわかに戸惑いへと表情が変わる。

「あたしに会いたいなら、自分が会いに来れば」

『ヤキモチ、焼いてんの?』

 それでも雄二は、なんかの冗談かと、さっきの調子で話している。しかし…

「勝手にそう思ってればいいよ」

 氷よりも冷たい、感情すらもない声を聞いた彼は、眉間にシワを寄せた。何が起きているのか解らず、戸惑いは色濃くなるばかりだった。

『どうしたんだ? この間から変だよ、お前…?』

「変なのは、先生だよ…」

 小さく一呼吸し、深空は一言だけ続けた。

「…さよなら」

 その直後、ツーツーと通話の切れた音が、雄二の耳元で鳴り響いていた。

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