LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
 そんな折り、放ったらかしの携帯に着信が残っていた。口元を押さえながらそれを確認すると、電話をかけて来たのは、雄二だった。

(…今更)

 手に持った携帯をベッドの上に放り投げたその時、再び着信音が鳴り響いた。深空は、そんな鳴り続ける携帯に触れようともしない。それでも携帯は着信を知らせている。携帯のイルミネーションを遠目で見つめている、深空。

(……)

 小さくため息をついた時、着信を知らせるイルミネーションは消えてしまった。

(…切れちゃった)

 自分の胸の中でつぶやいてみる。しかし、虚しさは消えなかった。

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