LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
信号が青に変わった。深空がそれに気付くまで少し時間がかかったが、ゆっくりと足を出し歩きはじめる。
(早く… 何とかしないと…)
コートの上からお腹に手を当てる。しかし、具体的にどうするかはまだ真っ白であった。
産むか堕ろすか…
逃げ出したくなるこの二つの選択肢に、深空は日に日に眠れない日々が重なり、寝不足になっていた。
駅前の広場までやってくると、駅の改札はもう目の前だ。
(早く帰って寝よ……)
煌々と光るその駅舎には、人影はまばらであった。そのまばらな人影の中に、誰かの帰りを待つように、立ち尽くしているシルエットがひとつ。その駅の光を背に受けたひとりのシルエットは、凛と冷える寒空の下をコートも着ずに佇んでいた。
(早く… 何とかしないと…)
コートの上からお腹に手を当てる。しかし、具体的にどうするかはまだ真っ白であった。
産むか堕ろすか…
逃げ出したくなるこの二つの選択肢に、深空は日に日に眠れない日々が重なり、寝不足になっていた。
駅前の広場までやってくると、駅の改札はもう目の前だ。
(早く帰って寝よ……)
煌々と光るその駅舎には、人影はまばらであった。そのまばらな人影の中に、誰かの帰りを待つように、立ち尽くしているシルエットがひとつ。その駅の光を背に受けたひとりのシルエットは、凛と冷える寒空の下をコートも着ずに佇んでいた。