LOVE train*



お母さんのしつこさについにお兄ちゃんも折れたのか、住所と名前を教えてくれた。





「高田 裕太です。…ここに住所書いたので、では俺はここで。」






「…お兄ちゃんっ!!」








「大丈夫だった? 足ケガない?」





「だいじょーぶだよっ!!彩希ね、お兄ちゃんのおかげでこわくなかったよ」






「あきちゃんって言うんだ? 俺は高田裕太。良かったよ、何もなくて。」



お兄ちゃんはニコッとあたしに笑顔を見せた。







「うんっ 川村彩希っていうの! 裕太くん ありがとうっ」






「俺そろそろ行かなくちゃ。

またね。また 会えるといいね、バイバイ」





「バイバイっ」






あたしは手を振って裕太くんの背中を見送った。
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