計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー
電車に揺られて、
一人暮らしのアパートの最寄り駅まで
数分あたりのとき、
ぞくっとした視線を感じたの。
ま、私は可愛いから…
って言える余裕なんてなかった。
あの男に再会したから!!
改札口を通って、
「…もうこんな時間…」
ヒールの足音が夜によく響くなあって、
想いながらぼんやりしていたのがいけなかった。
全身の肌が鳥肌になったんじゃないの、
止まったら同じように止まる足音、
振り返ってみてみれば蛍光灯だけが
虚しく光っていて、
「…そんなわけないよね」
ストーカーなんて、
されたことないし勘違いでしょうね。