計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー
―――
「愛奏帰る?」
「ずっとここにいたってだめでしょ。
それに勝手に呼び捨てで呼ばないで」
「…やだ」
玄関で、
ようやく家まで行けそうに
なったんだけれど私の鞄を
返してくれなさそう。
「もう…愛奏でいいよ」
イケメンスマイルを見せたって
効かないんだから。
「送ってくよ」
「やめて。
家覚えられたらいやだもん」
「なら鞄かえさない」
「…誠人くんって
とってもワガママ」