計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー
あながち間違ってはいないんだけど、
空耳として私は受け取って
アパートについたのを教えて、
帰ってもらおうかなって思ったんだ。
思ったんだよ、でもね…。
「…なにこれ…」
集合ポストに
私のところの部屋番号が書かれてある
郵便受けの中に
いっぱいの手紙が入っていて…。
「愛奏…」
高校の時の苛めに似ていて、
仕舞い込んだ記憶が戻されそうで、
泣き出しそうになったのを、
「大丈夫だよ。…俺がいるから」
誠人くんの身体で
抱きしめられたのがわかって
心臓が止まってしまうかと思った。
「泣かないで、俺の家に戻ろう」
「…うん」