計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー
そう、今だけ。
今だけ、
誠人くんに甘えてみようかなって。
つないだ右手が
懐かしく感じてしまったの。
「陰湿だ。
昨日のストーカーだな」
「…誠人くんのこと王子
って言われているんだっけ。
女の子をそのままお持ち帰りする人を
王子っていうのかって思った」
「人の恩を…」
「…でも、
誠人くんを王子様って
女の子に言われる理由…
分かるかもなの」
「愛奏…
そんな風に男を悦ばせる言葉言うな」
何よ。
あなたに関係ないじゃない。
って私は言いたいところだけど、
計算でじゃないの…、
本心なのはトップシークレットだよ。
「…うん」