計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー
「大学に近い
ファーストフードの店があるんだけど、
行こうよ」
着替え終わった誠人くんは
返事をしなかった私の腕を引いて、
「愛奏をここに残らせたら危ないし、
ストーカーが部屋荒らされても困るから」
私に気なんてないよって、
伝えているみたい。
「前にクーポンもらってさ。
どこかで使おうかと思った」
「…そっか」
どうして私を女として見ていないのに、
期待なんてさせるのかな。
「今、あそこに座ってる女の子たち
誠人くん見てた。
モテモテだね」
「…俺は、
アンタと違って好きな子いるし」
好きな子いるの…。
なのに、こんなことして良いと思ってるわけ?
どうして…私は傷ついているんだろうね…。