計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー

「大学に近い

ファーストフードの店があるんだけど、

行こうよ」


着替え終わった誠人くんは

返事をしなかった私の腕を引いて、


「愛奏をここに残らせたら危ないし、

ストーカーが部屋荒らされても困るから」


私に気なんてないよって、

伝えているみたい。


「前にクーポンもらってさ。

どこかで使おうかと思った」


「…そっか」


どうして私を女として見ていないのに、

期待なんてさせるのかな。


「今、あそこに座ってる女の子たち

誠人くん見てた。

モテモテだね」


「…俺は、

アンタと違って好きな子いるし」


好きな子いるの…。

なのに、こんなことして良いと思ってるわけ?


どうして…私は傷ついているんだろうね…。
< 27 / 82 >

この作品をシェア

pagetop