計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー
抱きしめた時の柔らかい匂いが
安らいだりする…
なんて男子には言えない。
「誠人くんは私の王子様だもん」
そして彼女は少しメルヘンチックな女の子だ。
長い睫の瞼が閉じて、
君はキスを待つようで、
俺に夢中でいてくれるのだと思わせてくれた。
つい彼女のキスを待つ顔に見惚れていて、
耳元でカメラのシャッター音が聞こえたんだ。
「何…」
後ろにはたくさんの女子が集い、
とっさに愛奏を抱きしめたら、
ヒステリックに彼女たちが笑って睨む。
「佐川くん、この写真校内中に回してもいいかな」
「…やめろ…」