計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー
「…どうして、
学校にいかないんだ」
「昨日から…ずっと知らない人から電話が来るの」
妙に、嫌な予感はしたけど、
「大丈夫だよ、
それはありえないし…、漫画の読みすぎ」
「どうして、って…
誠人くんは信じてくれないの!?」
「信じるって…」
喧嘩しそうになると、
ちょうど携帯が鳴り響き、
俺は電源を落としてあるし彼女しかいなくて、
一向に出ない愛奏は、
「…信じてくれないなら、もういいよ。
ちょっとそこで待っててね、
鞄持ってくるから」
俺と同じように電源を落として、
すんなりいうことを聞いて、
罪悪感にさいなまれそうになってくるんだ。
登校中、
いくら話しかけてもうなずくだけで教室が違う分、
心配していたが、
学校の雰囲気は悪いわけでもないから安心しきっていて、
まさか俺が傷つけていたなんて知りもしないんだ。