計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー
それがまた
タイミングが悪すぎて、
桜井先生が苛められてる愛奏を見つけ、
「何やってる!
若葉、こっちに来なさい…
いつものように先生が守ってあげるから」
教師らしいことを言ったけど、
クラスと俺は絶句した。
「……もういい。
もう…私、お引越しする」
ずっと耐えてきたみたいで、
綺麗に泣く愛奏は、
「…みんなのこと好きだったのに…。
信じてくれないの…、
大っ嫌いなんだからね」
俺と目を合わせた瞬間に
人が変わったように、
「誠人くんは大嫌い。
優しい顔して平気でうそつくの」
顔をそむけてしまった。