計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー
半分彼女を黙らせるため、
それと君が一番大好きだって伝えるため、
頬にキスをしたわけだ。
「…あと3時間で
バイトが終わるから大人しく待って」
「うん…」
朱に染まった愛奏に
鼻の下を伸ばす男の客に、
友達も彼女を狙う目をして、
気疲れが一気に回る。
「…言っとくけど、
俺は童貞じゃない」
「だよな。
イケメン男子は早いうちに済ましてそうだし」
「……そこはノーコメントで」