計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー

―――



駄々をこねるお姫様が

珍しく飲みに行ってもいいと認めてくれて、

気分がよくお酒が飲めそう。


「…誠人、どうしたの、

ウィスキーなんて飲んで」


「二十歳になったんだし、

別にいいだろ」


「そうね」


彼女は千早きらら、

俺の一つ上の先輩で…

元カノっていうのは姫には内緒。


「最近忙しくてね…

マスコミのおっかけがすごくって」


「…ほんと。

俺の身にもなれって」


散々、

追いかけまわされて熱愛だの何だのって…。


「ねえ…あの時は悪かったと思っているわ」


「…初恋の彼女のこと、

馬鹿にした話か。

終ったことだし気にしてない」


「そう見えないわ」
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