計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー
「…っきらら」
不意に盗まれた口付けに物凄く焦る、
ここがVIPルームじゃなきゃやばかった。
「本気なのよ」
「…分かった。考えておく」
後味のこりまくりの飲み会だった。
このこと、
どう説明して愛奏が
欲しくて東京まで来た意味ない、
それに、相手は芸能人で、
遅かれ早かれ耳に届いてしまうはずだ。
「だ、大丈夫?」
「っ…ごめん、
飲みすぎた…」
「ペースが早かったもの」
「……いきなりすぎて混乱してる」
「タクシー呼んであげるから、
ほら立って」
そのまま促されるように二人でタクシーに乗り、
ぼんやりとそこは家の前でもなく、
六本木を走って、
高層マンションまで来てる。
「…より、戻しましょ」
「っ……きらら…愛してる…」
マンションの玄関口で熱いキスを交わして、
彼女の部屋に移動した。