計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー


―――



梓さんに、

都内のラブホに連れて行かれたって。


あの日見た光景と同じだった。


同じ過ちを犯してしまわないように、

精一杯彼女を守った。


だけど、

一応病院に連れて行こうと思ったのに、

一向に拒む愛奏。


「どうして嫌なのか教えて」


「…誠人くんがいるから、

女の子と病院なんて何も楽しくないよ」


「愛奏」


とうとう俺は堪忍袋の緒が切れて、

強引にパトカーに初恋の女の子を乗せた。


「市営の病院まで」

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