計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー

出して、出してと乞い願う君は、


「…お巡りさんはいてもいいから、

誠人くんはこないで」


俺一人をはっきり拒んだ。


納得がいかず、

病院について

彼女の細い手首を強くつかんだ。


人のよさそうな医者に愛奏を渡した。


「あ、この前の…」


「この前?

この前も来たんですか」


どうやら先生とは知り合いだったらしく、

にこやかに彼はこういった。


「御妊娠の方は順調ですか?」

「っ…まさか…」

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