計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー
真っ青の愛奏は、
「…誠人くん…ごめんね。
いなくなればいいと思ったの…、
一人で生めば…」
ゆっくり俺の子であることを言った。
きららの発言と違い、
俺は大いに喜んだ。
あの人は、
俺を引き留めるためについた嘘だと分かったから。
一生大事にしたい女の子が俺との家族を
作ってしまったことを隠していた。
「…誠人くん?」
華奢ですっぽり俺の腕の中にいる君に、
「嬉しい…、
大事にするから…。愛奏」
もう離さないって言った。
「……誠人くん、
誠人くんは自分の進路があるでしょ…
だから降ろせるのかもって。
でも、やっぱり誠人くんが好きだから怖くて…。
それとね私、
大学やめて実家に帰ることにしたの」