婚約者から逃げ切るだけの簡単なお仕事です。
【死にそうな目にあいました】
もちろん副委員長になんかなりたくなかった私は、なんとか遠回しに断ろうとした。
でも、
『…………七宝院』
俺の背中を押したのはお前だろう、最後まで見届けろ!
という菅原様の無言の圧力には勝てず、結局は引き受けることに。
「……七宝院。明日のオリエンテーション合宿について話があるから、
このあと職員室に来いと高橋先生が」
「……わかりましたわ」
淡々と連絡してくる菅原様を睨みつけたい気持ちを押さえつつ、私は頷いて立ち上がった。
委員長と副委員長が速やかに決まったので、
私たちのクラスは他のクラスよりもかなり早い解散となった。
今この教室に残っているのは、私と菅原様の二人だけ。
(あーあ。入学早々、面倒な事になったなぁ)
もちろん、決まったからには副委員長の仕事もしっかりやるつもりだ。
けど正直なところ、やらなくて済むならやりたくなかったというか。