婚約者から逃げ切るだけの簡単なお仕事です。
【ついつい比較してしまいます】
健闘したものの、残念ながら我が3組は準優勝という結果に終わった。
ちなみに、優勝したのは敬太様率いる2組。
漫画通りの結果でちょっと悔しかったけど、
『微笑みあう敬太様と真凛ちゃんの図』
という原作ファンにとっては垂涎モノのシーンが見れたので個人的には良しとしよう。
あぁ、眼福眼福。
……その際、ガッツポーズの代わりに拳をギュッと握っていたら
『……七宝院。お前の悔しい気持ちはよく分かるが、今は抑えろ。この借りは秋の運動会で返せばいい』
『あ、あのね七宝院さん!
真凛は優勝したのが嬉しくて笑いあってるんであって、
決して西山君を横取りしようとしてるわけじゃないから!大丈夫だから!!』
と、菅原様と真奈さんからワケのわからないフォローされたのはここだけのハナシ。
っていうか、一体私はどんな風に見えたんだよ二人とも!
別にそこまで悔しがってないよ!嫉妬もしてないよ!!
やめろ、そんな優しい目でこっちを見るんじゃないうわぁぁああああ……
と叫びながら走り出したいのをこらえているうちに、レクリエーション大会は無事に終了となった。
それから、今更ながらに始まった菅原様の説教
(見学者は大人しく見学してなきゃダメだとかなんとか)
を笑顔で聞き流しつつ、副委員長の仕事をこなして――現在。
「遊びに来たぜ、じゃじゃ馬さん」
「お帰りくださいこの不法侵入者め」
割り当てられたホテルの一室で休憩していた私は、
部屋に入ってきた敬太様を見た瞬間思わず暴言を吐いていた。
あらいけない、大和撫子の仮面が崩れかかっているわーウフフフフ。