続・赤い流れ星
「あのな…ひかり。
送り出す物が手紙だろうが人だろうが、とりあえずは起動…つまりは、スイッチを入れるのにそれなりの力が必要ってことなんだ。
だから、手紙みたいに小さくて軽いものだったら大丈夫ってことにはならないんだ。」

おじいさんは横から口を出したシュウに、小さく頷いた。



「……そもそも、わしが力を使い果たしたという設定にしたのはおまえさんじゃろう。
今更、それをどうにかすることなど出来やせん。
それに大事なことを忘れておるぞ。
たとえ、わしがフルパワーだとしても、おまえさんがわしを動かさん限りは、門を起動させることは出来んのじゃ。」

「そ、そんな…だって、私はこっちにいるのに…
そんなこと出来るわけないじゃない!」

「だから、無理じゃと何度も言うとるじゃろう…諦めることじゃな。
おまえさんはともかく、シュウやわし達がこうして元気でいられるだけでも幸せに思わんとな…」

私はおじいさんのその言葉に、なにかちょっとした違和感のようなものを感じた。
元気で…ってどういうことだろう?
キャラの運命は作者に委ねられている。
だったら、事故にあうとか病気になるとか書かない限りはずっと元気でいられるんじゃないの!?
それとも、何かまだ私の知らないからくりでもあるんだろうか??
私は、早速、その疑問をおじいさんに訊ねてみた。
すると、おじいさんは意外なことを話してくれた。



「わしは、正直言って今こんなに元気でいられるのが不思議なくらいなんじゃ。
なにせ、おまえさんは小説を隠しているらしいからな。」

「うん…はずかしいから隠しリンクにして、鍵もかけてる。
パスワードは「secretstory」だから、たまたま隠しリンクをみつけたとしても、ベタすぎて思いつく人は少ないと思うよ。
……でも、それがなにか関係あるの?」

そう言った私に、おじいさんは呆れたような顔を向けた。
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