続・赤い流れ星




「はーーーー…」

お風呂から上がった私は、冷たい水を飲んで大きな溜め息を吐いた。



お風呂に入って、あらためて自分の身体を見てみると、ますます自信がなくなった。
雅樹君はあんまりでかいのは気持ち悪いなんて言うけど、それにしてもさっきのここあちゃんと私じゃなんでこんなに違うんだ!?
肌が綺麗だとも雅樹君は誉めてくれたけど、ここあちゃんは私よりももっと真っ白で綺麗な肌をしていて、触らなくてもすべすべだってことがわかる。



(……完敗だ…100対0…いや、1000対0だよ…)



悔やまれるのは、ここあちゃんの所に行ったこと。
もう何回も悔やんでるけど、本当にやり直せるものならやり直したい。
ここあちゃんの所にさえ行かなければ、私とシュウは何の問題もなく仲良くやれたのに…



「あぁ、さっぱりした…」



落ちこんでる所にシュウがお風呂から上がって来て、ビールの缶を開けて喉を鳴らす。



「……ひかりも飲んでみる?」

「え…う、うん。」



たまにシュウはそんなことを言うけど、私は飲んだことなんてないから、シュウはちょっとびっくりしたような顔をしてた。
もやもやした気持ちを吹き飛ばしたくて、私は我慢して飲んだけど、やっぱりビールは苦いし炭酸もきつい。
残りはシュウが飲み干して私達は一緒に寝室に向かった。
いつものことなのに、今日はなんだかドとてもキドキする。
さっきのビールのせいだけじゃないみたい…
でも…やっぱりまたここあちゃんの裸体が頭に浮かび、ちょっと盛りあがった気持ちはがくんとしぼむ。



(だめだ…気分が盛りあがらない…
今夜は話だけにしとこう…
昔の話をしてたら、シュウもまた少しは私に気持ちを向けてくれるかもしれないし…)



そう…今夜は、シュウと出会って五年目の大切な記念日だもの。
あの時は本当にびっくりしたなぁ…母さんが来てるんだと思って降りていったら、そこに怖い顔したシュウがいて…まるで昨日のことみたいに、今でもはっきり覚えてる。
あれからもう五年も経ってたなんて…って、そういえば、ここじゃ正確な時間の流れがないって言ってたのに、なんで今日だってわかったんだろう?
そんなことを考えながら、いつものようにベッドに寝転んで…



「今日のひかり…本当に可愛かったよ。
やっぱりもっと髪伸ばした方が良いな。
今日みたいな髪型、すごく似合う。」

「え…ま、またぁ…」

私が話す前にシュウにそんなことを言われ、私はすっかり照れてしまった。
嬉しくて舞いあがる気持ちを隠すのが大変だ。
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