続・赤い流れ星
やっぱり私はあさはかで馬鹿な女だったのかもしれない。
シュウの幸せを願ってのことだったはずだけど、こんなことなら、現実で苦労する方がまだずっとマシってもんだ。
もしも、シュウがゴーストになってしまうようなことになったら…私はどうやってその責任を取れば良いんだろう…
いや、きっとそんな方法なんてない。
たとえ、私が責任を取って死んだとしても、そんなことでシュウは元通りにはならないんだし世界も活気を取り戻すことは……あ…




「おじいさん!
ゴーストになった者はもう元に戻ることは出来ないの?
潰れてしまった世界は元に戻ることは出来ないの?」

私は話しながらふと頭に思い浮かんだ疑問を、おじいさんにぶつけた。



「そうじゃな。
絶対にないとは言わんが…まず、ない。
作者という者は気に入らずに消したキャラをもう一度同じように書くということはほとんどないからな。
間違って消してしまったという場合も、元通りに書き直す事はほぼないじゃろう?」

確かにそうだ。
設定が少しでも変わればきっとそれはもう別人と言う事になってしまうから、おじいさんが出来ないというのは納得出来る




削除されてしまったキャラ、そして書かれることも読まれることもなくてどんどん弱ってゴーストもどきになっていくキャラ…
そういうものはきっとものすごく多いんだろうな…
たとえば何年も前に書かかれたものとかを非公開にする作者さんも多い。
そんな風なことから増殖していくゴーストもどきは、寂れていく世界の中でどんどん弱って…




(あ…そうだ!
私が携帯小説を書こうと思ったきっかけのあの作品…!
「ロマンスストリート」も閉鎖になっちゃったんだったよなぁ…
作者さんの名前…なんだったっけ?
秋山…えりか…えりなさんだったかな?
ここあちゃんとハヤト君のラブストーリーで…ちょっと過激なエッチシーンがあって、私はドキドキしながらそれを読んだもんだった。
可哀想に…ここあちゃんやハヤト君もきっとゴーストもどきになってるんだね…
……ん……?……そうだ!)

非公開という言葉から、私はずっと忘れていたその小説のことを久し振りに思い出し、そして、またあることを思い着いた。
< 15 / 218 >

この作品をシェア

pagetop