続・赤い流れ星
*
「雅樹君、開けて!」
家に戻った私は、早く雅樹君にすがりつきたくて、どんどんと扉を叩いた。
だけど、どんなに叩いても中からの返事はなく、しんと静まり返ったままだった。
(雅樹君、買い物でも行ったのかな?
どうしよう……あ、そうだ……)
私はすぐ傍の消火器置き場の奥に手を伸ばした。
探っていると、私の指先に冷たいものが当たった。
それは、雅樹君の家の鍵。
以前から、雅樹君が出掛けてる時にはそこに鍵を置いておくことになっていた。
そのうち合い鍵を作って渡すって言いながら、雅樹君が出掛けてることは一度もなくて、だから、そこを探ったことも今までは一度もなく、あやうくその事も忘れる所だった。
(……あれっ?)
中に入ると、私が昨日タカさんに預けた手紙が落ちていた。
封を開けた形跡もない。
(ってことは…雅樹君、昨日から家に戻ってないの?
……まさか!?)
私は急にいやな胸騒ぎを覚えた。
雅樹君は名もなきキャラだから、よほどのことがない限り、事故にあって死んだり、事件に巻きこまれたりするようなことはない筈。
それとも、物語に関わることでなければそういうこともあるんだろうか?
いやいや、雅樹君に限ってそんなこと、絶対ない!
でも……だとしたら、一体どこに行ってしまったんだろう?
雅樹君は旅行に行くような趣味もないし、他の世界には行けないし、第一、私がシュウの家に行く事をあんなに心配してたのに、そんな時に呑気に遊びに行く事はない筈なのに…
部屋の中には何の異変もない。
争ったような形跡も、もちろん血痕だってない。
私が出て行った時とほとんど変わりがなかった。
変わったことといえば、ハンガーに掛けてたジャケットがなくなってるくらいのことで…
だから、雅樹くんはそれを羽織って出たんだろうということくらいしかわからない。
不安だった。
夜になって暗くなればなるほど不安な気持ちは大きくなった。
ここでは何事もなかったにしても、もしかして出先で何事かあったのか?
だけど、私にはそんなことを相談出来る相手もない。
大丈夫…!絶対に大丈夫!
私はそんな根拠のないことを頭の中で繰り返し、ただ、雅樹君が早く帰って来るようにと、心の中で祈り続けた。
「雅樹君、開けて!」
家に戻った私は、早く雅樹君にすがりつきたくて、どんどんと扉を叩いた。
だけど、どんなに叩いても中からの返事はなく、しんと静まり返ったままだった。
(雅樹君、買い物でも行ったのかな?
どうしよう……あ、そうだ……)
私はすぐ傍の消火器置き場の奥に手を伸ばした。
探っていると、私の指先に冷たいものが当たった。
それは、雅樹君の家の鍵。
以前から、雅樹君が出掛けてる時にはそこに鍵を置いておくことになっていた。
そのうち合い鍵を作って渡すって言いながら、雅樹君が出掛けてることは一度もなくて、だから、そこを探ったことも今までは一度もなく、あやうくその事も忘れる所だった。
(……あれっ?)
中に入ると、私が昨日タカさんに預けた手紙が落ちていた。
封を開けた形跡もない。
(ってことは…雅樹君、昨日から家に戻ってないの?
……まさか!?)
私は急にいやな胸騒ぎを覚えた。
雅樹君は名もなきキャラだから、よほどのことがない限り、事故にあって死んだり、事件に巻きこまれたりするようなことはない筈。
それとも、物語に関わることでなければそういうこともあるんだろうか?
いやいや、雅樹君に限ってそんなこと、絶対ない!
でも……だとしたら、一体どこに行ってしまったんだろう?
雅樹君は旅行に行くような趣味もないし、他の世界には行けないし、第一、私がシュウの家に行く事をあんなに心配してたのに、そんな時に呑気に遊びに行く事はない筈なのに…
部屋の中には何の異変もない。
争ったような形跡も、もちろん血痕だってない。
私が出て行った時とほとんど変わりがなかった。
変わったことといえば、ハンガーに掛けてたジャケットがなくなってるくらいのことで…
だから、雅樹くんはそれを羽織って出たんだろうということくらいしかわからない。
不安だった。
夜になって暗くなればなるほど不安な気持ちは大きくなった。
ここでは何事もなかったにしても、もしかして出先で何事かあったのか?
だけど、私にはそんなことを相談出来る相手もない。
大丈夫…!絶対に大丈夫!
私はそんな根拠のないことを頭の中で繰り返し、ただ、雅樹君が早く帰って来るようにと、心の中で祈り続けた。