続・赤い流れ星





「あ……」

エレベーターが開き、俺の顔を見たあいつは一瞬戸惑ったような表情を浮かべて立ち止まった。



「早く!こっちだ。」

俺が手招きをするとあいつは小走りでやって来た。



「こ、こんばんは。」

「ひかりに何があった!?」

玄関先であいつは俺に向かって頭を下げた。
そんな冷静なあいつを見ていると、俺は、無性に腹が立ち、思わずあいつの胸倉を掴んでいた。



「そ、それは…」

「これ、シュウ…
冷静になるんじゃ。」



賢者の声で我に返った俺は、静かにその手を離した。



「……すまなかった。
さ、中で話を聞こうか。」







「な、なんだって!
よ、よくもそんな無責任なことを…!」

「こら!シュウ!
よさんか!」

「す…すみません…」



あいつ…名前は雅樹というらしいが、その雅樹から聞いた話を聞きながら、俺は懸命に怒りの感情を押さえた。
賢者がいなかったら、きっと二、三発はあいつのことをぶん殴ってたと思う。
なにしろ、ひかりと一緒に暮らすって決めた矢先に昔の女が現れたとかで、雅樹はその子のことを放っておけないと言ってひかりを追い出したらしいんだから。
ひかりは友達の所に行くと行ったらしいが、あいつに友達なんていない。
いや……それとも、俺の知らない友達がひかりにはいるのか!?
この雅樹のように…
どちらにせよ、ひかりが今すごく傷付いていることは間違いないんだ。
それもすべてはこいつのせいだ!
ひかりは、本気でこいつに惚れてるっていうのに…!
そう思うと、また怒りが込み上げる。



「それで…ひかりがこれを忘れてたんで…」

そう言いながら、雅樹はひかりの携帯を差し出した。
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