続・赤い流れ星




「そんな馬鹿な……」



雅樹の話は衝撃的だった。
そもそも、ひかりが雅樹に声をかけてつきあいが始まったということ自体、とても驚きだったが、ひかりがそんなことをしたのは俺がここあちゃんと浮気をしてるからだそうで…
俺やここあちゃんにとってはそんなものはただの遊びでしかないことはわかってるけど、ひかりはそれがどうしても辛くて、そんなことはなんでもないことだと思えるように、男に慣れるために雅樹に声をかけたっていうんだ。



(ありえない……)



「あなたがここあちゃんとそんな関係にさえならなければ、こんなことには…」

「ちょっと待てよ。
さっきも言ったが、俺は神に誓ってひかり一筋だ。
ここあちゃんと浮気なんてするわけないだろ。」

雅樹は俺がそう言っても疑わしい顔を崩さなかった。



「雅樹よ…シュウは見た目はこんなじゃが、ひかりに対しては本当に真面目なんじゃぞ。
それに、ここあちゃんも隼人君とはラブラブじゃから、いくら遊びと言ってもシュウと浮気なんてことはないと思うぞ。」

「じゃあ、お二人はひかりが嘘を吐いたとでも言うんですか!?
僕は絶対にそんな風には思えません。
ひかりはそんな嘘言う筈ありません!」

「当たり前だ!
ひかりがそんなつまらない嘘を吐くような奴じゃないことくらい、俺だってよくわかってる!」



「だとすれば……」

賢者の低い声に、俺と雅樹の視線は同時に賢者に注がれた。



「……ひかりが勘違いをしたんじゃな…」

賢者はそう言って、したり顔で何度も頷く。



「勘違いって…爺さん…
どういうことなんだ!?」

「……ひかりは、なんらかのことからおまえとここあちゃんが浮気をしていると思いこんだんじゃ。
おまえさん…何かそういう素振りを見せた事はなかったのか?
勘違いをされそうなことを…」

「そんなこと、あるはずないだろ!」

俺は叫んだ。
だって、俺には本当に思い当たることなんて何もなかったんだから。
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