続・赤い流れ星
「そ、それじゃあ…シュウさんは本当に浮気は…」

「しつこいなっ!
俺は、そんなことしてないって言ってるだろ!」

「そんな……」

雅樹は肩を落とし、両手で頭を抱えてうな垂れた。
だけど、ショックなのはこっちの方だ。
ひかりは、ただ知り合った雅樹のことが好きになったんだと思ったからこそ、俺はその気持ちを尊重してひかりと別れる事を決心したのに、それが本当はありもしない妄想からこんなことになってたなんて…あんまりだ……



「二人共、そう落ちこむな。
今回のことはそりゃあ大変なことではあったが、すべては誤解だったんじゃ。
そのことをひかりと話し合えば、またやり直すことも出来るんじゃないか?」



賢者の言う事はもっともだ。
俺だって、ひかりとやり直せるならそれは嬉しい。
でも…ひかりにそんな風に思われてたっていうのはやっぱりそう簡単にわりきれるものでもない。
俺は、ひかりにそこまで信用がなかったのかと思うと……



「すみません。
僕、そろそろ戻らなきゃ…
彼女…相当弱ってるから病院に連れて行ったら、そのまま入院になったんです。
それで、少し抜け出して来たんですが、僕が傍にいないととても不安になるみたいですから…」

俺は何も言わずただ小さく頷いた。



「じゃ……あ……」

立ち上がり歩きだした雅樹の足が止まった。



「シュウさん…余計なことかもしれないけど……
ひかりは、今でもあなたが設定でひかりのことを愛してるってことにわだかまりを持ってるみたいです。
それに、あなたに対してとてもコンプレックスを持ってる。
あなたとのエッチがうまくいかないっていうのも、きっとそういう所からじゃないかって思いますよ。
ひかりは僕には気を遣わずにすむから…」

「もう良いっ!」



そんな話聞きたくなかった。
あの時の光景を思い出して、俺が何ともないと思ってるのか。
ひかりが他の男に抱かれていたことを俺がなんともないと……



「じゃ…ひかりのこと…よろしくお願いします…」

その一言に、俺はまたカチンと来た。
そして、こんな奴にジェラシーを感じてしまうことが、さらに俺のプライドを傷付けた。
ざわざわする気持ちを俺は懸命に堪え…扉の閉まる音が聞こえた時には少しだけほっとした。
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