続・赤い流れ星
私は今までそういう状態を感じたことはなかった。
愛着がないってことはないとは思うんだけど…でも、確かにオリキャラ溺愛って程じゃない。
シュウはかなり思い入れのあるキャラではあったけど、でも、それでもきっと溺愛って程ではなかったと思う。
作者さんの中には夢に実写化されたオリキャラが出て来たリすることもあるらしいけど、私はそんなこと一度もないし、第一、一番長くても100ページも書いたことない…いや、50ページもないか…
そんなんじゃキャラが勝手に動くなんて体験、出来るわけないよね…



(あ……だったら……)

私はその時、不意にあることを思い着いた。



「おじいさん!
だったら、私が必死に『こうなりたい』ってことを考えたら…」

「ひかり…それは作者がいる場合だろ?
作者のひかりがこっちにいるんだから、それは無理だ。」

おじいさんの代わりに、シュウが私に答えをくれた。



「その通りじゃな。」

「そっか…そうだったね…」

必死で想いを発信すれば、小説を介してでもなんとか兄さんと連絡でも取れるかと思ったんだけど、書いてくれる人がいなきゃ無理だった。



(…………書いてくれる人?)



「おじいさん!
書いてくれる人がいればなんとかなるの?」

「じゃから、それが作者じゃないか。」

「作者以外じゃ駄目?
たとえば、兄さんに想いを伝えて書いてもらうことなんて無理?」

「それは無理じゃ。
……たとえば、その小説がコラボだったりすると話は別じゃがな。
わかりやすく言うとじゃな…Aという作者の作ったaというキャラがいて、そのaをコラボ相手の作者Bが動かすことは可能じゃよ。
コラボをしてるうちに、aとBにも繋がりが出来ておるから、Bがaの想いをキャッチすることも十分可能じゃ。
じゃが、おまえさんの兄さんはコラボ相手でもなんでもないからな。」

「で、でも、私と兄さんは父親は違うけど兄妹だし、現実でシュウと兄さんはとても仲良かったよ!
ね?シュウ?」

「でも、そういうことは関係ないんじゃないか?」

シュウは、そう言っておじいさんの方をちらりと見た。
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