続・赤い流れ星
「本当だって!
俺にとって、ひかりは今までの女達とは違って特別な存在で…
だから、ひかりが受け入れるまでは自分を抑えてた。
もちろん、こっちに戻って来てからだってそうだ。
それに、小説にも俺達が結ばれる設定はまだ書かれてないままで完結してるんだから。」
「それが本当だとしたら、残念じゃがおまえさん達は永遠に結ばれることはないのう。」
「だろ?そうなる筈だよな…
だけど、それが…!
俺達、もう何度も…」
「えええーーーーーっっ!」
なんでこんな話を話さなきゃいけないんだと思いながらも、俺はこっちに来てからのひかりと俺のことを賢者に洗いざらい話した。
賢者は目を白黒させながらその話に聞きいり、やがて大きな溜め息を吐き出した。
「……それは不思議な話じゃな。
完結作というものはそれなりに自由なものではあるんじゃが…
たいていの者達はそれほど進展しないもんなんじゃ。
考えてもみなされ。
もしも、勝手に恋人同士の仲が進展しても、突然、作者が続編を書き出したりしたら、せっかく親密になった二人はどうなる?
そういうことのないように、完結作とはいえ、あまり大きな進展は出来ないようになっとるんじゃ。」
「なるほどな。
なんだかんだいっても、この世界はけっこう精密に機能してるってことだな。
それはそうと……なぁ、じいさん……ひかりがこっちに来て、成長してることには気付いてるだろう?」
「……まぁな。
本来ならあるはずのないことじゃから、慎重に観察しておったんじゃが…
確かにそれは間違いないと思う。」
賢者の表情が急に真剣なものに変わった。
「……ってことは……やっぱり、ひかりはこの世界のキャラ達とは違う。
つまり、自分の意志で自由に動けるってことじゃないか?」
賢者は俺の言葉に何も答えず、何の反応も見せずにじっと一点をみつめ…
そして、ようやくゆっくりと頷いた。
「……どうやらそのようじゃな。
ひかりは元々こちらにいたひかりというよりは、現実にいたひかりの要素が強いようじゃ。
じゃから、自分の意志で自由に動ける。
二人が結ばれた時も、ひかりの方からモーションをかけてきたからこそ結ばれたのじゃろう。
おそらくおまえさんから仕掛けたのでは無理だったはずじゃ。
いや、仕掛けること自体無理じゃったかもしれんな。」
「じゃあ、ひかりが元の世界に戻りたいと思ったら、戻れるんじゃないか!?
ひかりは設定に支配されずに自由に動けるんだから!」
俺は、興奮のあまり声をあげてしまい、客達の視線が一斉に俺の方に向けられた。
俺にとって、ひかりは今までの女達とは違って特別な存在で…
だから、ひかりが受け入れるまでは自分を抑えてた。
もちろん、こっちに戻って来てからだってそうだ。
それに、小説にも俺達が結ばれる設定はまだ書かれてないままで完結してるんだから。」
「それが本当だとしたら、残念じゃがおまえさん達は永遠に結ばれることはないのう。」
「だろ?そうなる筈だよな…
だけど、それが…!
俺達、もう何度も…」
「えええーーーーーっっ!」
なんでこんな話を話さなきゃいけないんだと思いながらも、俺はこっちに来てからのひかりと俺のことを賢者に洗いざらい話した。
賢者は目を白黒させながらその話に聞きいり、やがて大きな溜め息を吐き出した。
「……それは不思議な話じゃな。
完結作というものはそれなりに自由なものではあるんじゃが…
たいていの者達はそれほど進展しないもんなんじゃ。
考えてもみなされ。
もしも、勝手に恋人同士の仲が進展しても、突然、作者が続編を書き出したりしたら、せっかく親密になった二人はどうなる?
そういうことのないように、完結作とはいえ、あまり大きな進展は出来ないようになっとるんじゃ。」
「なるほどな。
なんだかんだいっても、この世界はけっこう精密に機能してるってことだな。
それはそうと……なぁ、じいさん……ひかりがこっちに来て、成長してることには気付いてるだろう?」
「……まぁな。
本来ならあるはずのないことじゃから、慎重に観察しておったんじゃが…
確かにそれは間違いないと思う。」
賢者の表情が急に真剣なものに変わった。
「……ってことは……やっぱり、ひかりはこの世界のキャラ達とは違う。
つまり、自分の意志で自由に動けるってことじゃないか?」
賢者は俺の言葉に何も答えず、何の反応も見せずにじっと一点をみつめ…
そして、ようやくゆっくりと頷いた。
「……どうやらそのようじゃな。
ひかりは元々こちらにいたひかりというよりは、現実にいたひかりの要素が強いようじゃ。
じゃから、自分の意志で自由に動ける。
二人が結ばれた時も、ひかりの方からモーションをかけてきたからこそ結ばれたのじゃろう。
おそらくおまえさんから仕掛けたのでは無理だったはずじゃ。
いや、仕掛けること自体無理じゃったかもしれんな。」
「じゃあ、ひかりが元の世界に戻りたいと思ったら、戻れるんじゃないか!?
ひかりは設定に支配されずに自由に動けるんだから!」
俺は、興奮のあまり声をあげてしまい、客達の視線が一斉に俺の方に向けられた。