続・赤い流れ星




「シュウ、私、ちょっとでかけて来るね!」

「どこ行くんだ?
俺も一緒に行こうか?」

「今日は一人で良いよ。
ただ、そこらへんをぶらっとするだけだから。」

「……そっか。
じゃあ、気をつけてな。」



次の日、私は早速昨夜の計画を実行すべく町に出た。
いつもよりちょっと気合いを入れた服を着て。
私も以前に比べたら服装はずいぶんマシになったと思う。
体重もずいぶん減ったから、今はけっこう細身の服も入るようになった。
でも、やっぱり、派手な感じのものは苦手。
露出が多いのは恥ずかしくて着られない。
色は以前と比べると明るいものを着られるようになったけど、原色はやっぱり今でも無理だ。
パステルなブルーやグリーンが一番着やすいんだけど、ピンク系を着るとシュウが可愛いと誉めてくれるから、ちょっと気合いを入れたい時にはピンクを着る。
今日もピンクのポンチョにした。
スカートはよほどのことがないと着れないけど、長めのポンチョは見た目にもちょっとスカートっぽくて可愛いかなと思って…
だけど、誰にどんな風に声をかければ良いんだろう?
私がしようとしていることは、もしかしたらナンパ?
ナンパなんてされたこともないのに、したことなんてあるはずもないから、どうやったら良いのかわからない。
いや、声をかければ良いってことはわかってる。
要はタイミングと勇気…?



(あ、その前にターゲットを決めなきゃ。)



私は町の繁華街をぶらぶらしながら、声をかけやすそうな人を探した。
声がかけやすいのは、やっぱりおとなしそうな人。
でも、待てよ…あまりにおとなしい人だったら、逆ナンなんてされたらきっと怯えて逃げてしまうんじゃないかな?
だったら、そこそこ女の子に慣れてそうな人?
でも、モテる人だったら私みたいなのを相手にするはずないから、女の子に慣れてないことはないけどそれほどモテそうじゃない人…だな…難しい。



結局、何時間もうろうろしたけど、その条件にあてはまる人はみつからず……疲れた私は繁華街から少し離れた静かなカフェに入った。
ここはひかりのお気に入りの場所って設定で作ったお店。



(こんなに人はいるのに、やっぱりなかなかいないもんだな……あれ?)



ちょっと離れた窓際の席に、一人で座り窓の外を見ている男の人がいた。
年齢は私と同じくらいかな?
なんていうのか…どこにでもいそうなごく普通な感じの人。



(この人だったら…いけるかも!)



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