続・赤い流れ星
ふと、そんなことを考えたものの、いざターゲットが決まると、緊張は一気に高まって…
あぁぁぁ、何て言ったら良いんだろう?
やっぱり知らない人に声掛けるのって難しい。
しかも、声をかける動機が不純だもん。
ストレートに好きになったとかひかれたのならまだしも、その人は特別魅力を感じるタイプじゃない。
逆に言うと、何も感じないタイプだからターゲットにしたわけだけど、間違ってもそんなこと言えないし。
あれこれ考えながらチラチラ見てたせいか、その人がそれに気付いて明らかに私に向かって小さく笑ってくれた。



(わっ…チャンスだ!
この人だったらやっぱり大丈夫そう?でも、そんなの私の思いこみかもしれないし…
あぁ、どうしよう…迷う……
……迷っちゃだめ!こんな時は、とりあえず何も考えず行ってみよう!)



私は秘めた決意を胸に、立ち上がってその人のテーブルに向かった。



「あ、あのっっ!」

「は…はいっ!」

突然声をかけた私にその人は驚いたような顔をした。
でも、ここまで来たら後にはひけない!



「こ、こ、こ、ここ…座って良いですか?」

「え…あ…あぁ、どうぞ!」



私は自分の席に戻り、震える手でお冷やのグラスとバッグを持って、その人の前の席に座った。
心臓が口から飛び出しそう…!
でも、なんとかやれた!
しかも、成功した!
……っていっても、肝心なのはこれからだけど。

座ったは良いけど、一体何を話せば良いのか…
座るだけ座って、何も話さないなんてあやしすぎる!
早くなにか話さなくちゃと思えば思う程、言葉は出て来ず、その代わりに汗が吹き出して来る。




「あ…何か飲みますか?」

「え…?あ、あぁ、そうですね。
えっと…それじゃあ…コーラにしょうかな。」

身体が熱くなってたから、冷たいものが飲みたくなってた。
コーラはこの頃全然飲んでなかったんだけど…
その人は、ウェイトレスさんに向かってさっと手をあげて注文してくれた。



「顔、赤いですよ。
大丈夫ですか?」

「えっ!?
あ……そうですか。」

その人の声はけっこう落ちついてて、それに敬語で話してくれるし、もしかしたら私より年上かなって気がした。
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